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EtherNet/IPのCIP通信:Explicit通信とImplicit通信の解説

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現代の製造業や産業分野において、効率的な自動化と運用を実現するためには、高度な通信プロトコルが不可欠です。その中でもEtherNet/IPは、産業用通信の中でも広く利用されており、様々な通信方法が組み込まれています。EtherNet/IPの中心的な通信方式がCIP通信(Common Industrial Protocol Communication)です。CIP通信内には、Explicit通信とImplicit通信の2つがあり、それぞれの特徴と使い方について解説してみましょう。

CIP通信とは?

CIP通信は、EtherNet/IPプロトコルの中でデバイス間の通信を実現するための枠組みです。異なるデバイス同士がシームレスに通信できるように設計されており、産業用アプリケーションにおけるデータの送受信や制御を可能にします。

Explicit通信

Explicit通信は、ユーザーコントロールが必要な操作やデータ転送に使用される通信方法です。ユーザーが特定のコマンドを送信し、その要求に対してデータを受け取る形式です。センサーデータの読み取りやアクチュエータの制御、設定変更などの場面で使用されます。ユーザーコントロールが求められる場合に適しており、特定のタスクを実行するための要求と応答が行われます。

デバイスの設定と制御

ユーザーがデバイスの設定を変更したり、制御コマンドを送信したりする際に使用されます。例えば、特定の動作をトリガするためにユーザーが制御信号を送ることができます。

データの読み取り

デバイスから情報やデータを読み取るために使用されます。センサーの状態やデバイスのパラメータなどをユーザーがリクエストし、デバイスがそれに応答します。

Explicit通信はユーザーが必要なときに通信を開始し、デバイスからの返答を待つ特徴があります。このタイプの通信は、ユーザーがデバイスの動作や状態を柔軟に制御できるため、様々なアプリケーションで活用されています。

Implicit通信

Implicit通信は、周期的なデータ交換に焦点を当てた通信方法です。デバイスは定期的なタイミングでデータを送信し、受信側はそのデータを受け取ります。これはサイクリック通信とも呼ばれます。ユーザープログラムによる通信コマンドを使用する必要なくデータの送受信が可能です。主にリアルタイム性が重要な制御や同期動作に使用されます。運動制御やプロセス監視など、タイムリーなデータ交換が要求されるアプリケーションで活用されます。周期的なデータの送受信により、システム全体のタイミングを合わせることが可能となります。コントローラ間でタグによるデータの高速サイクリック通信であるタグデータリンクが可能です。

リアルタイムデータ交換

生産ラインの制御や運動制御など、リアルタイム性が要求されるアプリケーションにおいて、デバイス間のデータ交換を確実に行うために使用されます。

同期制御

複数のデバイスが同期して動作する必要がある場合に使用されます。例えば、複数のモーターやアクチュエータを正確に同時に制御する際に利用されます。

タグデータリンク

タグデータリンクは、タグ(変数)を使ったコントローラ間のデータを高速かつ効率的に大容量データをリアルタイムで共有する機能です。データ共有は用途に応じた複数のグループ単位で行うことが出来ます。グループ単位ではデータの同時性が保証され、ノード数が増加してもデータ共有の更新サイクルには影響はありません。タグデータリンクを活用することで、センサーデータ、アクチュエータ制御、プロセス情報など、さまざまなデータを迅速に送受信することが可能となります。

タグデータリンクの利点

1. リアルタイム性の向上: タグデータリンクは、リアルタイム性を重視した通信プロトコルです。データの送信と受信がほぼ同時に行われるため、制御システムの応答性が向上します。これにより、製造プロセスや制御システムの正確性と効率性が向上します。

2. 拡張性の確保: タグデータリンクは、デバイス間のデータ共有を容易にし、新しいデバイスをネットワークに追加する際にもスムーズな拡張性を提供します。新しいセンサーやアクチュエータを追加しても、タグデータリンクによってデータの受け渡しは簡単に行えます。

3. 簡潔な通信手順: タグデータリンクは、シンプルな通信手順を特徴としています。データがタグと呼ばれる形式で管理され、特定のデバイスが必要な情報を的確に受け取るため、通信の過程が簡潔かつ効率的です。

両者の違いと利用方法

Explicit通信とImplicit通信は、それぞれ異なる通信目的に適しています。Explicit通信はユーザーコントロールが必要な操作や設定変更に使用され、要求と応答の形式でデータがやり取りされます。一方、Implicit通信は周期的なデータ交換やリアルタイム性が求められる制御に使用され、定期的なデータ送受信によりデバイス同士の同期を実現します。

まとめ

EtherNet/IPのCIP通信は、産業用アプリケーションにおけるデバイス間の通信を効率的に実現するための重要な枠組みです。このCIP通信内には、Explicit通信とImplicit通信の2つの通信方法が組み込まれており、ユーザーコントロールやリアルタイム性の要求に応じて使い分けることができます。産業分野における自動化と制御において、EtherNet/IPのCIP通信は欠かせない要素となっています。適切に選択された通信タイプにより、効率的な制御とデータ交換が実現され、産業分野における高度な自動化が支えられています。

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