機械メーカーの配線作業に「電気工事士」は必要?法的な境界線と、現場で絶対に必要な「もう一つの資格」

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「自社の機械を配線するのに、資格っているんだっけ?」

機械メーカーのエンジニアや、制御盤の設計・組立に関わる方なら、一度はこう迷ったことがあるのではないでしょうか。

一般的にイメージするのは国家資格の「電気工事士」だと思います。

しかし、「工場内なら不要」「いや、客先だと必要」など、人によって言うことが違ったりして混乱しがちです。

実は、電気工事士が必要かどうかよりも、もっと手前でエンジニアが絶対に持っておかないと法律違反(懲役・罰金)になってしまう「もう一つの資格」があるのをご存知でしょうか?

これを知らずに現場に行くと、最悪の場合、作業させてもらえず出直し……なんてことにもなりかねません。

今回は、意外と知らない「資格と作業の境界線」と、エンジニアとして身を守るために必須となる「その資格」について解説します。


目次

そもそも「工場内の製造」なら資格はいらない?

まず、誰もが気にする「電気工事士」の話から整理しましょう。結論から言うと、自社工場内での製造作業に「電気工事士」の資格は法律上不要です。

電気工事士法などの法律では、以下のように明確な線引きがされています。

  • 電気工事(資格が必要): 建物や設備に電線を固定したり、電源(一次側)に接続したりする作業。
  • 製品製造(資格は不要): 工場内で機械や制御盤を組み立てる作業。これは「工事」ではなく「製造」とみなされます。

つまり、自社工場内で制御盤を組んでいる間は、電気工事士の免許を持っていなくても法的には問題ありません。

現地(客先)での「設置」は要注意

問題は、納入先での作業です。機械を建物に固定し、そこへ電線を這わせてつなぐ行為は、建物に付帯する「電気設備の工事(建設業)」とみなされます。

もし、客先で「ケーブルの被覆をむいて、端子台にネジ止めする(100V/200V)」という作業を行うなら、それは電気工事士の独占業務です。無資格で行うと違法行為になります。


勘違いしやすい!「客先=絶対NG」ではない?

「じゃあ、資格がない自分は、客先では一切配線に触っちゃダメなの?」というと、実はそうではありません。ここが少しややこしい部分ですが、「電気工事士がいらない例外」があります。

しかし、そこで「じゃあ特別教育(安全講習)もいらないの?」というと、それは別問題です。ここが一番の落とし穴なので、表で整理しました。

▼ 【保存版】資格と教育の必要性早見表

場面作業内容電圧電気工事士(国家資格)低圧電気取扱(特別教育)
自社工場盤の組立・配線全て不要必須
客先 (現場)端子台への結線100/200V必要必須
客先 (現場)コネクタ接続100/200V不要必須
客先 (現場)信号線の結線DC24V不要推奨(※)

(※DC24V自体は特別教育の対象外ですが、盤内に200Vが混在している場合は受講が必要です)

この表からわかる「重要なポイント」が2つあります。

① 「コネクタ接続」なら工事士は不要、でも…

装置間ケーブルを「カチッ」とコネクタで繋ぐだけの作業。これは法律上「簡易な接続」とみなされ、電気工事士の資格は要りません。

しかし、流れる電気はAC200Vの動力だったりしますよね?

電圧が高い以上、感電のリスクはあります。そのため、労働安全衛生法上の「特別教育」は必須になります。

「コネクタだから無資格でヨシ!」と思って作業していると、法律違反(労安法)になるので注意してください。

② 「24Vだから安全」の罠

「DC24Vのセンサー線をつなぐだけだから、何もいらないよね?」これも現場でよくある勘違いです。

確かに24V単体なら感電死のリスクは低いです。しかし、その端子台のすぐ隣にAC200Vのインバータやブレーカーがありませんか?

法律では「充電電路の近接場所での作業」も危険業務とみなされます。

狭い制御盤の中で、手が滑って隣の200Vに触れたら……。

そうした事故を防ぐためにも、盤内に手を入れるなら電圧に関わらず「特別教育」を受けておくのが、現場エンジニアの常識(マナー)と言えます。


実は「無資格」でデバッグするのは違法です

ここまで「配線作業」の話をしましたが、実は配線が終わった後の「デバッグ・調整」にも資格が必要です

それが先ほどから出ている「低圧電気取扱業務特別教育」です。

労働安全衛生法 第59条 第3項 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、…(中略)…当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。

この法律で言う「危険な業務」の中に、低圧電気(直流750V以下、交流600V以下)の敷設・修理・操作が明確に含まれています。つまり、「電気工事士かどうかに関わらず、電気が通っている場所を触る人は、全員この講習を受けなさい」というのが法律のルールなのです。

  • 完成した制御盤の電源を入れて、テスターで電圧を測った。
  • インバータのパラメータ設定のために、通電状態で操作した。
  • センサーの動作確認のために、ボタンスイッチを押した。

もし「特別教育」を受けていない人がこれらを行うと、法律違反になります。

万が一感電事故が起きた場合、会社と管理者は「教育義務違反」として重い責任を問われます。

つまり、メーカーのエンジニアである以上、電気工事士は持っていなくても、この「特別教育」だけは絶対に受けておかないと仕事にならないのです。


「カード忘れ」はエンジニアの死活問題

さて、法律的に「絶対に取らなきゃいけない」ことは分かりました。しかし、この資格にはもう一つ、現場特有の悩みがあります。それが「修了証(カード)忘れ」です。

「やべっ、修了証、会社の机の中だ……」

現場に向かう車の中や、工場の入場ゲート前でこうなって青ざめた経験はありませんか?実は私もその状態になりました(笑)

最近の大手工場や建設現場はコンプライアンスが非常に厳しくなっています。入場手続きの際、「電気を扱う方は修了証の原本を提示してください」と言われることが増えました。

  • 「会社にはあります」
  • 「資格は持ってます(でも手元にない)」

これは通用しません。「じゃあ今日の作業は許可できません」と追い返されたら、出張費もスケジュールも全部パーです。でも、普段は財布に入れないようなカード、いざという時に忘れがちなんですよね……。


SATのWeb講習なら「スマホが修了証」になる!

「講習に行く暇がない」「カードを管理するのが面倒」

そんな忙しいエンジニアに今一番選ばれているのが、SAT(サット)のWeb講座です。

私がこれをおすすめする最大の理由は、「スマホだけで完結する」という点です。

メリット① プラスチックカードを待たなくていい

通常の講習センターだと、予約して、平日に丸1日拘束されて、後日カードが届くのを待つ…という手順が必要です。

SATなら、Webで動画講習を受けてテストに合格すれば、その瞬間にアプリ・Web画面で「修了証明書(PDF)」が即時発行されます。

「明日、急遽現場に入ることになった!」という時でも、スマホさえあれば間に合います。

メリット② 「カード忘れた!」の冷や汗ともサヨナラ

これが最強のメリットです。

SATで受講しておけば、万が一プラスチックカードを家に忘れても、スマホの画面を見せることで証明が可能です。(※現場のルールによりますが、原本忘れの緊急回避として認められるケースは多いです)

「カードは会社のロッカー、データはスマホの中」

こうしてリスク分散しておけば、現場の入り口で青ざめることはもうありません。

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もちろん、後日しっかりとしたプラスチック製の修了証も郵送で届きます。


まとめ:現場に出る前に「最低限の武装」をしておこう

機械メーカーのエンジニアにとって、「技術力」と同じくらい大切なのが「自分の身を守る知識」です。

  • 現地で端子台接続をするなら: 電気工事士の資格が必要(または有資格者に依頼)。
  • 電気に触れる・操作するなら: 「低圧電気取扱特別教育」は全員必須。

もし、まだ特別教育を受けていない、あるいは「受けたかどうかわからない」「カードが見当たらない」という状態であれば、トラブルになる前にサクッとWebで済ませておくことを強くおすすめします。

たった数時間の動画講習で、「法律を守って安全に仕事ができるエンジニア」としての証明が手に入ります。

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